住宅相談をしていて中立の立場で家づくりを見ていると、それそれの立場によって家づくりの考え方が違うということが、はっきりと見えてきます。
立場というのは、購入者と販売する側の立場です。
どんな違いがあり、それによってどんな問題があるのでしょうか?
住宅を購入したい側
住宅を購入のきっかけは様々だと思いますが、多くの方は長く住まいたい生涯の住処としての購入を目的とされるのではないでしょうか?
多くの方は購入後に家族の成長を楽しみながら生涯を暮らす、そのために住宅購入を希望されておられます。
だからこそ住宅購入は人生の中のイベントの1つにすぎません。
ただ生涯に1度の住宅購入だという想いもあり慎重にもなりますし、失敗したくないと思いが強くなるのではないでしょうか?
住宅を販売する側
住宅を販売する側の思いや目的はズバリ、契約です。
会社である以上利益を目的にするのは当然です。
経営が健全であればあるほど、購入する方は安心材料の一つではないでしょうか?
住宅を購入したり、建てている最中に会社が倒産してしまうのは困りますし、そんな会社の危険性があるところには依頼したくないですよね。
目的や思いの違いの影響は?
購入する側は購入後を楽しくするた”めに安心と安全を担保したいと考える。
これは将来(未来)を見ているということです。
販売する側は魅力的な住宅を作り、契約や購入をしてもらう。
これは‟今”を見ているということです。
それぞれが見ているのは未来と今で違う時間軸での家づくりを検討を必要とするのですが、家づくりを進めていくと、購入する側まで‟今”を見て家を購入してしまうようになってしまうことが多く見られます。
それは夢のマイホームを購入することがGOALになってしまいがちで、どんどん自分のこだわりを入れて購入金額が大きくなってくるケースも少なくありません。
しかも購入金額が増えても、数字のマジックで毎月の返済額は大丈夫なように見えてくるから危険なのです。
将来どうなのかではなく、今であれば返済が可能なように見せる、セールステクニックが存在するからです。
SNSの影響も大きい
SNSを見ていると、家づくりにこだわった方が画像や動画をアップしていて、とても参考になりますね。
住宅の営業マンに気に入った画像を見せるだけで、イメージを伝えることができ、使用している材料のメーカーや色まで記載されているものまであります。
しかしながら打合せを重ねるにつれて、他人のこだわりが、自分のこだわりであるかのように思えてきます。
それを叶えるために住宅会社は全力を尽くしてくれますが、それはあくまで契約の為です。
小さなこだわりを積み重ねることで、満足度が上がり契約が近づくから。
そんな積み重ねは次第に金額としてでも大きくなる原因の1つですね。
このような打合せは自分主導のようで、実は住宅会社主導になってしまい、住宅購入が目的の進め方になったしまうので注意が必要です。
あくまでも住宅購入はイベントの1つ
家族の将来を考えた家づくりを計画することで、住宅購入は人生の中で1つのイベントだという意識を忘れないでください。
こだわり過ぎて無理した住宅購入を行ったせいで、その後の生活が楽しめないものになったり、ローン破綻を起こしたりするのは最悪ですから。
こだわらないといけない部分と、あったらいいなを意識しながら優先順位を決めて計画してください。