昨年2019年5月「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」いわゆる
「建築物省エネ法」が改正、公布されました。
オフィスビルやホテル、商業施設など新築の大中規模建物に省エネ基準への適合が
義務付けられ、私たちのすまい(住宅)にも、規模にもよりますが
省エネ基準適合義務や努力義務、また建築士の省エネ基準への適否の説明等が
義務づけられました。
この省エネ法により、これからの住宅はどのようなものになるのか大変興味深いですし、
またこれから住宅を建てようと思っている施主にとっては、大変な問題にもなります。
まずはこの省エネ基準がどのような内容なのか、詳しくみていきたいと思います。
【背景】
そもそもこの省エネ法ができた背景としてCOP21のお約束があります。
COP21とはフランスのパリで開かれた「気候変動枠組条約締約国会議」で、
この21回目の会議で日本は温室効果ガス排出量を2030年までに2013年比で
26%削減することを宣言しました。
これがよくマスコミで耳にするパリ協定です。
運輸や産業部門で大きく削減成果をだしていますが、住宅・建築物部門はまだまだ
進んでおらず、全体の12.8%を占める削減目標を達成するにはもう必死に取り組み、
自主的な努力だけでなく、適合義務として必ず基準を満たさなければいけなくなりました。
また日本のエネルギー事情を考えても、原子力を除いた自給率は5%と低く、ほとんどを輸入に
頼っています。
将来のことを考えると「省エネ法という法律だからやる」ではなく、少しでもエネルギーを
節約できる建物にしなければいけないと思ってしまいます。
【法律の概要】
-その2- 以降では基準についてわかりやすくご説明したいと思います。
今後の家づくりの考え方も大きく変わるかもしれません。